とても不思議なイカおじいさんに出会いました
私が学生のころ、友人と一緒に学校から帰る途中におじいさんが私たちのほうへ向かってあるいてきました。
といっても、近所のよく知っているおじいさんです。
よく見るとたくさんのイカがはいった箱をもっていました。
すると、そのおじいさんが唐突にわたしたちに「イカはなぜ赤くなるの?」と聞いてきました。
突然の質問にとまどってそのときは「分からないです」といっておじいさんとわかれました。
でも、次の日もそのおじいさんがいて、また「イカはなぜ赤くなるの?」と聞いてくるのです。
本当にその答えがわからなかったので答えられなかったのですが、そういうことがなんと数日間続きました。
おじいさんは質問するだけで、私たちに明確な答えをもとめている感じでもなく、そのまま立ち去っていくのです。
友人とも「今日もあのおじいさんいるかな?」と言って意外に会うのを楽しみにしてました。
おじいさんは質問をかえるときもあって「きみたちはなぜ学校にいくの?」などと聞かれたこともあります。
なんだか私たちが試されている感じがして、いまだになぜ毎日のように私たちに質問をしてきたのかは謎です。
でも、私も友人もその言葉のやりとりを楽しんでいて、いつも笑って話していました。
よく知っているおじいさんなのでよかったのですが、よくよく考えると今こんなことをいきなり通りがかりに質問されたら驚いて逃げ出してしまうかもしれません。
それほど私の地元はのんびりとして、みんな顔を見知っていてほのぼのとしたあたたかい雰囲気にあふれていました。
このおじいさんのことを思い出すと今でも笑ってしまいます。
ちょっと昔のとても懐かしい思い出です。